ブランクを経て介護業界で再び働く場合、体力的な不安をどう払拭するかは重要なポイントです。年齢を重ねることによる体力低下に、ブランクの期間の運動不足が加わり、現役時と比べて相当に体力が落ちているケースも珍しくはありません。ブランクの期間が長いなどの理由で体力的な不安があるなら、最小限の力で各種の介護を行えるよう工夫することが大事です。
体力をカバーするために習得しておきたいのが、ボディメカニクスと呼ばれる人間の筋肉や骨、関節の作用を活用する技術です。ボディメカニクスの技術を身につければ、比較的楽に介護の仕事をこなすことができます。てこの原理を活用する、重心を低くするなど、ボディメカニクスの原理は決して難しいものではありませんが、実際に介護の作業を行う際はボディメカニクスの原理から離れた、負担の大きい体勢を取っている場合が多く、ちょっとした心掛け次第で負担を大きく減らせるでしょう。立ち上がらせる、座らせる、仰向けの体の向きを変えさせるといった場面で、ボディメカニクスの原理はとても役立ってくれます。
介護の基礎を学べる資格、介護職員初任者研修でもボディメカニクスの知識は登場しますが、それでも業務で腰痛などのトラブルを引き起こす人は多く、実践するのは意外と難しいのが実情です。ボディメカニクスを扱った書籍を購入したり、YouTubeでボディメカニクスの実践動画を視聴したりして、しっかり技術を身につけておきたいところです。