介護業界で深刻となっている人材不足を解消すべく、国は潜在介護福祉士の復職に力を入れています。潜在介護福祉士とは、資格は持ってるけど介護の仕事に従事していない人のこと。有資格者のおよそ3人に1人が潜在化しているのが現状です。潜在化している介護福祉士の中には、復職したいけどなかなか思い切れない、サポートが十分でない、と思いとどまってる人もいるのではないでしょうか。そんな人たちを後押しする施策を厚労省が打ち出しました。
介護職の再就職準備金貸付といって、再び介護の仕事を始めた人に、再就職にかかる費用として最大40万円まで貸し付けてくれるものです。以前は上限20万円の都道府県が多かったのですが、コロナ禍で介護業界の人材不足がさらに深刻になり、全国で40万円に引き上げられました。この貸付金は無利子であり、さらに介護職員として2年間働くことで全額返済が免除となります。条件に当てはまれば、非常勤でも対象になる嬉しい制度です。注意する点は、障害者福祉サービス事業所は対象外となることや、直接の介護にあたらない業務でも対象にならないことです。対象の業務や施設、また離職期間の条件等も異なってくるので申請する都道府県でしっかり確認が必要です。
実は介護の仕事はシニアになったとしても復職しやすい仕事のひとつといえます。制度は色々変わったとしても仕事の内容は大きく変わりません。すぐに即戦力になることが予想できますし、人生経験や家族の介護経験があることで心にゆとりができ、利用者や他のスタッフとも落ち着いて接することができるため施設側も喜んで迎え入れてくれるでしょう。